大阪高等裁判所 昭和45年(ネ)24号 判決
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〔判決理由〕控訴人らは、さらに、失効の原則による所有権移転登記請求権の失効を主張するが、亡宝木滝蔵が本件売買契約前には本件土地上の建物(本件売買建物)を亡平田繁蔵及び控訴人千寿枝から賃借していたことは前認定のとおりであり、<証拠>を綜合すると、亡宝木滝蔵は、本件売買契約後、所有権移転登記の履行期までの三箇月分の右建物の賃料を、右契約締結のころに支払つたが、その後は、右履行期を過ぎたことを理由に支払を拒絶し、亡平田繁蔵もこれを了承して、その後右建物の賃料を請求しておらず、少くとも、右履行期である昭和二六年一〇月一二日ころには、亡宝木滝蔵が亡平田繁蔵及び控訴人千寿枝から本件土地及び本件売買建物につき、所有権の移転を受け終り、かつ、簡易の引渡による占有(但し本件土地のうち前記小林の占有部分を除く)の移転も受けていたこと、及びその後亡宝木滝蔵(同人の死亡後はその相続人である亡宝木マサ及び被控訴人ら)が本件土地(但し小林占有部分を除く)を所有者として使用してきたこと、本件売買による所有権移転登記と残代金の支払が遅れたのは、主として、小林占有部分につき、亡平田繁蔵が小林より返還を受けて、亡宝木滝蔵に引渡すことができなかつたことによるものであつたことが認められるのであつて、このような場合には、亡平田繁蔵及び控訴人千寿枝、ないしは亡平田繁蔵の相続人である控訴人らとしては、亡宝木滝蔵ないしはその相続人である亡宝木マサや被控訴人らにおいて、本件売買にもとづく所有権移転登記請求権をもはや行使しないものと信頼すべき正当な理由があるとはいえないから、失効の原則の適用により右所有権移転登記請求権が失効したとの控訴人らの主張は理由がない。
(宮川種一郎 林繁 平田浩)